1KITEコンソーシアム多新翅類サブプロジェクトグループ

菅平高原実験所昆虫比較発生学研究室 町田龍一郎(特命教授)、清水将太(現 松本秀峰中等教育学校教諭)を含む11名

Wipfler, B., W. Koehler, P. Frandsen, A. Donath, S. Liu, R. Machida, B. Misof, R. Peters, S. Shimizu, X. Zhou and S. Simon (2020) Phylogenomics changes our understanding about earwig evolution. Systematic Entomology, doi: 10.1111/syen.12420.

 

昆虫は地球上で最も多様化した動物群で、全動物種の約75%を占めています。この昆虫類の進化の歴史の解明には多くの研究者がチャレンジしてきましたが、なかなか昆虫類の進化、類内の系統関係は分かりませんでした。このような中、1000種類の昆虫のトランスクリプトーム情報を解析、さらにその解析結果を比較形態学、比較発生学などの多分野から厳密に検証して、昆虫類の系統進化を明らかにしようとする、「1000種昆虫トランスクリプトーム進化1K Insect Transcriptome Evolution (1KITE)」国際プロジェクトが満を持して立ち上がりました。1KITEは世界13カ国、43研究機関、菅平高原実験所の昆虫比較発生学研究室関係者9名を含む101名の研究者からなっています。

1KITE国際プロジェクトの一環として、本研究成果は多新翅類ハサミムシ目の類内の系統関係を厳密な解析により明らかにしたものです(詳しくは、Simon et al (2019)のナナフシ目に関する研究成果の解説もご覧ください) 。十分な材料が得られなかった、アフリカの白蟻塚にのみ生息する原始的なハサミムシ目の1科Karschiellidaeを除く11科の類縁関係が、図のように示されました。そして、これまでの考えをくつがえして、センヌキハサミムシ科Apachyidae(写真)が最も原始的なハサミムシ類であると結論付けられました。

センヌキハサミムシハサミムシ系統樹